自律神経の乱れの
基礎知識
自律神経失調症の種類は?
自律神経は、私たちが意識しなくても24時間体のあらゆる機能をコントロールしています。
自律神経には、交感神経(活動的にする)と副交感神経(リラックスさせる)の2つがあります。
この2つのバランスが崩れると、体全体にさまざまな不調が現れます。
実は、自律神経失調症にもいくつかのタイプがあるのをご存じですか?
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生まれ持った体質が影響するタイプです。交感神経と副交感神経のバランスが乱れやすい体質の方に多く見られます。
低血圧気味の方や、体力に自信のない方、いわゆる虚弱体質の方がなりやすい傾向があります。
日常生活のストレスよりも、体質的な要因が主な原因となります。
本態性自律神経失調症
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精神的ストレスの影響を受けやすいタイプです。
身体のちょっとした不調にも敏感で、軽い精神的ショックやストレスでも体調を崩しやすくなります。
感受性が高く、心の状態がそのまま体に現れるのが特徴です。
神経症型自律神経失調症
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日々のストレスが引き金となって、心と体の両方に症状が出るタイプです。
自律神経失調症の中でもっとも多く見られるタイプで、真面目で責任感が強く、頑張り屋さんに多い傾向があります。
心身症型自律神経失調症
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心身症型が進行することで現れるタイプです。
何をするにもやる気が出ない、気分が落ち込むといった「うつ症状」が見られます。
また、頭痛・だるさ・微熱・食欲不振・不眠などの身体症状も伴います。
抑うつ型自律神経失調症
なぜ自律神経が乱れるの
自律神経は、心臓や消化器、呼吸などをコントロールし、私たちの体を正常に保つために24時間働き続けています。
呼吸・血流・体温調節・消化・排泄・免疫など、生命維持に欠かせない働きを自動的に調整しているのが自律神経です。
この自律神経は「交感神経」と「副交感神経」の2つに分かれており、互いにバランスをとりながら機能しています。
しかし、このバランスが崩れてしまうと「自律神経が乱れた状態」となり、心や体にさまざまな不調が現れることがあります。
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日中や運動しているときに活発になり、体を「戦闘モード」にする神経です。
交感神経
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夜やリラックスしているときに活発になり、体を「休息モード」に導きます。
副交感神経
どんな時に自律神経の
バランスが崩れるの?
自律神経のバランスが乱れる原因には、さまざまな要素が関わっています。
以下のような要因が複合的に影響することで、自律神経がうまく働かなくなり、不調を引き起こしやすくなります。
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人間関係の悩み、仕事のプレッシャー、過労などの精神的ストレスは、自律神経の働きを乱す大きな原因です。
精神的ストレス
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強い光や音、気温の急激な変化、暑さ・寒さなどの外的刺激も、自律神経に負担をかけてバランスを崩す原因となります。
身体的ストレス
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睡眠不足、夜更かし、偏った食事、不規則な生活リズムなどの乱れは、自律神経の乱れを引き起こすリスクを高めます。
生活習慣の乱れ
自律神経失調症の主な症状
自律神経失調症の症状は人によって異なり、体と心の両方にさまざまな不調が現れます。
複数の症状が同時に出ることも多く、3つ、4つと重なることも少なくありません。
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疲れやすい、めまい、ふらつき、のぼせ、手足の冷え、頭痛、耳鳴り、動悸、関節の痛み、
便秘や下痢、生理不順、口や喉の違和感、頻尿、残尿感、多汗、肩こり など
身体症状
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イライラしやすい、不安感が強くなる、眠れない(不眠)、集中力が続かない、
感情の起伏が激しくなる など
精神症状