スポーツ障害・外傷の基礎知識
スポーツ外傷と
スポーツ障害の違い
スポーツをしていると、ケガをすることがよくありますよね。スポーツで起こるケガには、大きく分けて2種類あります。
この2つのケガは、原因や症状が異なるので、それぞれに合った対策が必要です。
スポーツを楽しむためにも、ケガについてしっかり知り、正しいケアと予防を心がけましょう。
- スポーツ外傷
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転んだり強くぶつかったりすることで起こるケガです。例えば、骨折や捻挫などがこれにあたります。
- スポーツ障害
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同じ動きを何度も繰り返すことで、体に負担がかかり起こるケガです。たとえば、テニス肘やランナー膝などが例です。
スポーツ外傷について
スポーツ外傷は、一度の強い衝撃が加わることで起こるケガを指します。一度の衝撃が発生するため、損傷の原因が明確であるという特徴があります。
スポーツ外傷の種類は、次のとおりです。
- 捻挫
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強い外力によって関節を支える靭帯が損傷している状態です。痛みや腫れ、内出血などの症状が現れます。
捻挫は損傷度合いによって3段階に分類することができます。
1度は軽傷で靭帯が伸びた状態ですが、2度になると靭帯の一部に亀裂が入ってしまっています。
3度は断裂がみられ、手術が必要になることもあります。
- 打撲
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カラダを部分的に打ちつけ、筋肉や血管などの皮下組織を損傷している状態です。
痛みや腫れをともない、血管が損傷してしまうと皮膚が青紫に変色します。
- 転倒
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転倒すると、身体に大きな衝撃が加わることでスポーツ外傷につながります。
日常生活でも不注意や筋力低下によって生じやすいケガです。
- 衝突
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アメフトやラグビーなどのコンタクトスポーツでは、選手同士が激しく衝突することがあります。その衝撃で負傷することも多いです。
- 肉離れ
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筋挫傷とも呼ばれ、筋膜や筋繊維が損傷、断裂している状態です。
筋肉が収縮しているときに反対側へ引き伸ばす力が加わることで発生することが多く、急なダッシュをした際に起こりやすいです。
スポーツ障害について
スポーツ障害とは、繰り返し同じ部分に負荷が加わることで生じるケガです。
スポーツ外傷のように一度の衝撃で発生するわけではないため、発症原因が明確ではありません。
スポーツ障害の種類や原因は次のとおりです。
- 野球肩
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投球動作を繰り返すことで肩関節の周辺に痛みが生じるケガです。
野球の投手だけではなく、テニスやバレーボールなどのスポーツでも発症します。
- ランナー膝
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ランニングやジャンプを繰り返すことで腸脛靭帯に炎症が生じている状態です。
膝の外側にうずくような痛みが生じることが特徴です。
- オスグッド病
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膝の皿の下にある脛骨結節という骨が飛び出してきてしまい、痛みや腫れが生じるケガです。
成長期の子どもに生じやすいスポーツ障害といわれており、脛骨結節の成長線に継続的な負荷がかかることで生じると考えられています。

スポーツ障害の原因は?
- オーバーユース
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同じ部分を使いすぎると、筋肉や靭帯などの組織に疲労が蓄積されていき、ケガが起こりやすくなります。
過度のトレーニングはオーバーユースを引き起こします。
- ミスユース
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誤ったフォームでスポーツを続けてしまうと、部分的に過剰な負荷がかかりやすくなります。
その負荷が蓄積されることでケガを引き起こします。
- ディスユース
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硬い状態の筋肉や関節をいきなり動かせば、負荷に耐えられずに負傷してしまいます。
ストレッチやウォーミングアップが不足しているときに起こります。
特に中高年の方は体力維持のために急にスポーツを始めると、筋肉や関節が硬い状態なのでディスユースによるケガが起こりやすいです。
スポーツでケガをした際の対処法
スポーツによるケガをした場合、早期対処が損傷の悪化を予防し、早期回復につながります。
受傷直後には応急処置としてPOLICE処置を行ってください。
- Protect(保護)
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損傷箇所を保護し、悪化や二次的障害を予防します。
包帯や三角巾、装具などを使用して保護しましょう。
- Optimal Loading(適度な負荷)
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適度な負荷を与えることで血液や酸素、栄養を負傷箇所に運び、組織の修復を促進します。
適度な負荷をかける方法は、トレーナーや整骨院・接骨院など専門家へご相談ください。
- Ice(冷却)
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患部を冷やし、炎症を抑制します。
保冷剤などをタオルで包み、15分ほど冷やしてください。
冷やしすぎると血行不良を起こしてしまうため、再度冷やす際には間隔をあけるようにしましょう。
- Compression(圧迫)
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患部を軽く圧迫し、腫れや内出血を防ぎます。
きつく圧迫すると血行不良が生じるため注意が必要です。
- Elevation(挙上)
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患部を心臓よりも高い位置に挙げ、腫れや内出血の悪化を防ぎます。
スポーツでケガをしないために
スポーツのケガを予防するために次のような予防法があります。安全にスポーツできるよう心がけましょう。
- ウォーミングアップをする
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運動前には必ずウォーミングアップをしましょう。
ウォーミングアップをすることで体温が上昇し、筋肉や関節の緊張がほぐれることでケガの予防につながります。
ストレッチやウォーキングなどで徐々に身体を温めてください。
- クールダウンする
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運動をしたあとクールダウンすることも大切です。
急に運動をやめると血行不良から疲労物質が滞り、疲れが残ってしまいます。
ウォーキングなどで徐々に心拍数を落とすと疲労が残りにくく、ケガの予防につながります。
- 練習量やフォームを見直す
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練習量が多すぎたり、誤ったフォームでスポーツを続けてしまうと、ケガが起こりやすくなります。
カラダの状態にあった練習メニューを組み直し、コーチやトレーナーに定期的にフォームの確認をしてもらうようにしましょう。
スポーツ外傷・スポーツ障害の
施術方針
スポーツのケガは症状緩和だけではなく、根本の原因から改善を目指して再発予防を行うことが大切です。
さくらメディカル整骨院グループではスポーツのケガに対して、次のように施術を行っていきます。
- 受傷直後
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受傷直後は炎症が強いため、炎症の抑制や炎症の拡大予防が必要です。
包帯やサポーターなどを使用し、患部が動かないように固定します。
痛みが強い場合には、炎症時にも使用できる超音波療法で痛みの緩和を目指します。
- 回復期
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筋肉や関節などの組織が硬くなっていると、ケガの回復が遅れてしまいます。
また、筋肉が硬いままだと負荷がかかりやすく、ケガの再発する可能性が高いです。
そのため、手技療法でしっかりと筋肉や関節をほぐして柔軟性を高めていきます。
痛みが残っている場合には、ハイボルト療法で痛みを取り除く施術も行います。