椎間板ヘルニア
- レントゲンを撮ったらヘルニアと言われた事がある
- 手や足がしびれたり、よく攣ってしまう
- 最近、頚や腰の動きが悪くなってきた
- 最近、背が縮んできたような感じがする
- もうこれ以上悪くなりたくない
椎間板へルニアは誰にでも起こりえるものです。
急激に発症するケースも、じわじわと出てくるものとどちらもあります。
症状も程度もさまざま。
レントゲンやMRIを撮ってみて見つかることも。
大切なのは少しでも悪くならないように
今後どのように大事にしていくかです。
椎間板ヘルニアとは
椎間板ヘルニアとは、背骨と背骨の間にある椎間板という軟骨が
「とび出している・はみ出している」状態を
言います。
椎間板は頚から腰までほぼすべての背骨の間に存在しています。
背骨の間でクッションの働きと可動性を持たせるのと同時に安定に関わる大切な組織です。
しかし、椎間板は年齢とともに傷んでくるものです。
構造的に負担のかかりやすい、頸と腰に起こりやすい特徴があります。
そして椎間板という組織は再生することのない組織です。
椎間板は外側の繊維質の部分と、中央に髄核というゼリー状の部分があります。
このゼリー状の髄核は年齢とともに水分が減少していきます。
そうすると椎間板は押しつぶされて繊維質の部分には緩みが出てきます。
この緩みの出てきた繊維質の部分が傷んでくると、そこから髄核が飛び出してしまいます。
この状態が「椎間板ヘルニア」です。
また、髄核の水分が減少して椎間板が押しつぶされてくると椎間板は外側に広がり「とび出した・はみ出した」状態になります。
この状態も椎間板ヘルニアと捉えられます。
この「飛び出した・はみ出した」椎間板の一部が神経を刺激すると
頚では腕や手に、腰ではお尻から足にかけてしびれや痛み、力が入りにくいといった症状が出てきます。
場所や障害の程度によっては、歩くことが困難になる場合もあります。
椎間板ヘルニアの症状
椎間板ヘルニアの症状はさまざまなものがあります。
痛みは鋭いも場合もあれば引き攣れるようなものや、重苦しい・だるいといった鈍い痛みの場合もあります。
ちくちく・ぴりぴりと皮膚を刺激されるような感覚を感じることもあります。
足が攣りやすくなるのも、神経が刺激されていることが原因のこともあります。
急激に発症した場合では、寝違えやぎっくり腰のような強い頚や腰の痛みから始まり
その痛みが落ち着いてくると、手足のしびれや痛みを感じるようになります。
ゆっくりと発症する場合には首や腰に感じる症状はさほど強くなく、徐々に手や足の痛みやしびれ、力の入りにくさを感じることもあります。
ヘルニア腫瘤は通常、斜め後側に飛び出る事がほとんどですが、稀に真後ろに飛び出てしまうことがあり、その際には脊髄や神経の太い束の部分を圧迫してしまうと手術を要する場合があります。
椎間板ヘルニアを悪くしないためには
椎間板ヘルニアは言わば「椎間板が壊れてつぶれている」状態です。
椎間板が壊れてつぶれると、背骨と背骨の間は狭くなり背骨には緩みが出て不安定な状態になります。
なんどもぎっくり腰を繰り返す方はこういう時期であることも多いものです。
この不安定な背骨同士は接する面積を骨を増殖させて広げ、安定させようとします。
これが背骨の変形に繋がり、変形性脊椎症と言われる状態になります。
腰の疾患にはいろいろなものがありますが、ほとんどがこの椎間板が壊れるところからスタートします。そしてこの椎間板は決して完全に元通りにはならない組織です。
ですから、椎間板ヘルニアを起こした・椎間板が壊れたこの時期をどう大事に過ごせるかがその後に大きな影響を与えることになります。
スポーツや事故などで大きな外力を受けた訳でもなく、椎間板ヘルニアを起こすケースでは遺伝的に椎間板の強度が弱いことも考えられます。
また、自然に起こす場合に大きな要因になっているのは身体の使い方と筋力です。
股関節の動きが悪い・硬い方、お腹や足の筋力が弱い方はどうしても腰にかかる負担が大きくなってしまいます。
逆に言うと、股関節が柔軟で、お腹や足がうまく使えていれば腰にかかる負担は小さいということです。
頚の場合では、5~6キロもある頭を支え、腕の重量も首からぶら下がっている構造上、いつも前かがみでいる姿勢がや筋力低下が大きな要因となっています。
予防も治療も含めて、椎間板に負担を掛けにくい身体を作っていく、身体の使い方を身に付けていくということはとても大切な事と言えます。